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むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の特徴
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群(RLS restless legs syndrome))とも言います)の一般人口有病率は2~5%と意外と高く、特に貧血、妊婦、腎不全(透析)、パーキンソン病で、高い頻度でみられます。
睡眠時にじっとしてられず、動かしたい衝動が起こるのがむずむず脚症候群の特徴です。
むずむず脚症候群という名前ですが、不快感の表現はむずむずだけでなく、多岐にわたります。
症状
具体的には、
むずむず
ちりちり
ほてる
冷たい
うずく
虫が這うような
痛い
かゆい
不快でたまらない
叫びだしたいような
不安がふくらむような
表現できないような
などの不快感が症状として発生します。
不快感が生じて動かしたくなるのは、足だけでなく腰や背中、肩というケースもあります。
皮膚の表面でなく、もう少し深部(皮下や筋肉)に生じます。足の左右で不快感に差がある場合もあります。
不快感で脚を動かしたい衝動は、安静時(ふとんに横になる、座席に座るなど)に現れ、動かすと軽減(消失)します。歩いても、座っていても、まったく程度が変わらない場合は、むずむず脚症候群(RLS)には該当しません。
典型例では夜、ふとんに横になった際や、夕食後くつろいでいる際に症状が現れます。重症例や経過が長くなると、午後の早い時問にも症状が現れることもありますが、この場合でも、初期の頃は症状は夜間が中心だったことが多いです。
起床後~日中と覚醒、活動時の症状が主体で、夜問や就寝中は気にならない場合は. RLSには該当しません。
夜ふとんに入ると、下肢に不快感が生じて眠れないという、「足の不快感」と「不眠をきたしている」という2点が同時にあるのが「むずむず脚症候群(RLS)」です。
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の診断基準
以下はむずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の診断基準です。
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下肢を動かそうとする強い衝動を訴える。通常、下肢に不快でいやな感覚をおぽえる、あるいは、この感覚のために衝動が生じる。
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動かそうとする衝動や不快感は休息中、また寝転んだり座ったりして静かにしているときに始まる、または悪化する。
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動かそうとする衝動や不快感は、歩いたり身体を伸ばしたりすれば、少なくともそういった運動をしている問は、部分的または全体的に楽になる。
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動かそうとする衝動や不快感は夕方や夜に強くなる、または夕方や夜にしか生じない。
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この病態は、他の現行の睡眠障害、身体疾患や神経疾患、精神疾患、薬物使用、または物質使用障害で説明できない。
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の対策
むずむず脚症候群(RLS)は鉄分の欠乏で起こることがあります。鉄が不足してないかチェックしましょう。
またカフェイン、アルコール、ニコチンもむずむず脚症候群(RLS)を誘発します。カフェイン、アルコール、ニコチンはなるべく控え、特に夕食後はやめましょう。
むずむず脚症候群症状が発現したときの対策としては、症状に対して注意をそらす工夫をします(テレビやゲームなどに熱中すると紛れる場合があります)。マッサージも有効な場合があります。
RLSを誘発する薬剤もありますので常用している薬のチェックも行いましょう。
むずむず脚症候群(RLS)によって不眠、疲労感や不安、抑うつをきたし、 QOL(生活の質)を低下させるため、一定以上の頻度で症状が出れば、我慢せずに病院の診察を受けましょう。
むずむず脚症候群の症例と薬による治療
68歳女性のむずむず脚症候群の症例
主訴:途中で目が覚めて眠れない。
10年前より高血圧にて近所の病院に通院中。
一人暮らしで日常生活は自立、ボランティアや趣味の会合に忙しく過ごしており、他に身体的な訴えはない。
寝付きはいいが、眠ってから1時間半後位に目が覚め、トイレに行くようになった。再び眠ろうとすると寝付けず、じっとしているのがつらくて床から起き上がったりして、再入眠困難が出現した。
足がだるい感じがあり、叩いたりしている。約2時間後にやっと再入眠している。近医で睡眠薬の処方を受けたり、腰のためかと思い、接骨院等にも通うが症状の改善が全くなかった。
この症状はかれこれ20年は続いている。途中で起きて眠れないということと、足がだるいということを訴える。
むずむず脚症候群の診断・治療
レストレスレッグズ症候群は日本語でむずむず足症候群と称されていることもあり、足がむずむずします、と言わいばすぐに疾患名が思いつきますが、実際の訴えは多彩です。
むずむず足症候群(レストレスレッグズ症候群)の4兆候は、
①動かそうとする強い衝動、②休息中や安静時に増悪、③運動による軽減、④不快感は夕方や夜に強い、
であり、これが診断基準になっています。
ただしこの診断基準そのままの表現で「足を動かしたくなりますか?」などyes or noで答える形で問診されると、むずむず足症候群の症例を見逃されたり、むずむず足症候群ではない症例をむずむず足症候群と診断されてしまうので、流れに沿って、時には表現を変えて受診をすることが大切です。
上記症例の場合、実は訴え中に①②③④すべてが盛り込まれています。だるい、という表現で①を表しています。むずむずするという訴えもありますが、意外と他の訴え方、足がかあっと熱くなる、何とも言えない感じ、もぞもぞする、と多彩な表現が用いられます。
じっとしているのが辛いは②の症状でもあり①も表しています。
床に入ったときだけでなく、美容院や飛行機の座席で気持ち悪くなる場合もあります。
床から起き上がったり、足を叩いたりしている、は③を表現しています、「足の気持ち悪いのが出たらどうしていますか?」と聞くと、足をすりあわせる、マッサージしたり叩いたりする、と答えます。
主に不眠を訴えていることから、④がわかります。
代謝が関与している症例があるので一度は血清鉄とフェリチン値を測定し、血清鉄が低値の場合はもちろん、フェリチン値が50ng/mL以下であれば鉄剤投与も考慮されます。
レストレスレッグズ症候群の症状があればすぐ投薬ではなく軽症症例では、カフェイン、たばこ、アルコールなとの悪化因子を控える等の生活指導をされるだけのこともあります。
むずむず脚症候群の薬はプラミぺキソール(ビ・シフロール)
上記の例ではプラミぺキソール(ビ・シフロール)0.125mgが処方されました。
プラミぺキソールは主にパーキンソン病などの手足の震え、こわばりに使用される薬で、むずむず足症候群にもよく使われます。