レム睡眠行動障害(RBD)の特徴
レム睡眠行動障害(RBDとも言います)の特徴は、睡眠時に夢の内容と一致した寝言や行動が起こる障害で、特に50歳以上の男性に多くみられます。
隣に寝ている人に殴りかかったり、壁を叩いたりすることで、周りや本人が怪我をしたりする恐れのある障害なので注意が必要です。人と争っている夢などを見ると怒鳴ったり、暴力的な行動が生じやすいです。
レム睡眠行動障害発生時(睡眠時の行動中や寝言中)に起こされると容易に覚醒し、夢の内容を思い出せることが多いです。
飲酒後の睡眠時にレム睡眠行動障害が悪化しやすい傾向があります。
以下がレム睡眠行動障害の診断基準です。
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レム期抗重力筋脱力を伴わないレム睡眠が認められる。 EMG所見で、下顎のEMG緊張の持続的・周期的増加が過度に認められる。または、下顎や四肢のEMG相動性収縮が過度に認められる。
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少なくとも次の1つ以上が存在する。 i)睡眠に関連した怪我、危害を加える恐れのある行為、または破壊的行為をしたおとがある ii)睡眠ポリグラフ観察中に異常なレム睡眠行為が認められる。
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RBDが共存するレム陲眠関連てんかんとはっきり異なるものでない限り、レム睡眠中にてんかん様脳波活動は認められない
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この睡眠障害は、他の睡眠障害、身体疾患や神経疾患、精神疾患、薬物使用、または物質使用障害で説明できない
レム睡眠行動障害(RBD)の対策
レム睡眠行動障害の対策としては以下の通りです。
怪我防止のため、寝室環境の整備が必要です。落下の危険があるベッドは使用せず、ふとんに切り替える。ふとんの周囲には物を置かない。パートナーや家族のふとんも離すなど、周囲の環境を整備しましょう。
また、 レム睡眠行動障害で歩き回り、部屋から出て行くことは稀ですが、念のため階段や窓から落下しないよう配慮しましょう。
飲酒制限も検討しましょう。飲酒やストレスはRBDを増悪するため、なるべく飲酒を控えて、特に夕食以降は飲酒しないなど制限したいところです。
レム睡眠行動障害(RBD)で注意しなければならないこと
レム睡眠行動障害(RBD)は神経変性疾患(パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症など)の合併や前駆症状(前兆の症状)の場合もあり、早期発見が重要です。
睡眠時の寝言や行動の頻度が多くなったら、専門医の診察を受けるようにしましょう。