不眠症と判断されるポイントは、「眠れない」という夜間症状だけではなく、不眠の結果、日中に支障をきたしている状態があって、初めて不眠症と診断されることです。つまり「夜眠れない=不眠症」ではなく。「夜眠れないため、日中も調子がすぐれない」のが不眠症の基本的な定義になります。
不眠症と判断される一般的な基準
①睡眠の質や維持に関する以下の訴えがある。
入眠障害……寝つきが悪く、ふとんに入ってから30分以上時間がかかる
中途覚醒……睡眠の途中で何度も目がさめて、再度寝つくのに30分以上時間がかかる
早朝覚醒……目ざまし時計のアラームが鳴る前に2時間以上早く目がさめてしまって、それっきり眠れないということがしばしばある
熟眠障害……起きたときに、ぐっすりと深く眠れた満足感がない
上記の4つは、不眠症の夜問症状に該当し、その訴えは、適切な睡眠環境下であるにもかかわらず生じている。
さらに、以下の日中の障害が少なくとも1つあること。
1)疲労・倦怠感
2)集中力、注意、記憶の障害
3)社会生活上(就業、就学など)の支障
4)気分障害
5)日中の眠気
6)気力、意欲の低下
7)仕事中や運転中のミスや事故の危険
8)睡眠不足に伴う緊張、頭痛、胃腸症状
9)睡眠に関する不安
上記に当てはまる場合は、不眠症と診断されます。