概日リズム睡眠障害の特徴とは
概日リズム睡眠障害の診断基準は以下の通りです。
- 社会的に良いとされる時間に起きることができないこととともに、望ましい慣習的な時間に眠れないという慢性的あるいは反復的な訴えがある。
- 望ましい就床時刻と起床時刻について、主要な睡眠時間帯が後ろにズレている。
- 自分の好きなスケジュールを選択できれば、睡眠の質と持続時間は年齢相応に正常で、24時間周期の就寝・起床パターンは、ズレているが安定している。
- 最低でも7日間、睡眠時間のタイミングに安定した遅れがある。
- 現在知られている他の睡眠障害、身体疾患や神経疾患、精神疾患、薬
物使用、または物質使用障害で説明できない。
つまり、昼夜逆転など、睡眠と覚醒のリズムがずれて、生活に支障をきたしていることです。
決まった時間に出社する会社員などには起こりづらく、シフト制で夜勤がある仕事や時間が自由になる自営業者、フリーター、大学生などがこの障害に悩まされることが多いです。
夜型の生活が続き、昼夜逆転することで生活のリズムが崩れ、それに伴い体調不良なども起こりえます。
概日リズム睡眠障害の対策
概日リズム睡眠障害の対策方法としては、本人が「治したい」というモチベーションが最も重要です。
本人の地道な努力が不可欠で、治したいと思わなければ治らないのが、概日リズム睡眠障害です。
しっかりとしたモチベーションを持ち、以下の対策を行っていきましょう。
時間療法
ずれた就寝・起床のリズムを、毎日3~4時間ずつ遅らせて合わせていき、1週問くらいで望ましい時間帯に固定する方法です。
生体リズムの周期は約25時間であるため、遅寝遅起きにずらしていくほうが楽なためです。
ただし、ずらしていく行程で、社会生活と大幅にずれる状態があり、休暇が必要になったり、せっかく修正したリズムが再度ずれないように固定するのにメラトニンなどのサプリメントや睡眠薬を併用するなどの工夫が必要になる場合があります。
メラトニン(サプリメント)
メラトニンには生体リズムの修正作用があり、夕方から夜早い時間に飲むと就寝・起床リズムを前進させる効果があります。少量(0.5~1mg)を、理想とする就寝時間の2~5時間ほど前に1~2回服用し、反応をみながら服用タイミングを固定していきます。
高照度光療法
高照度の光(2,500ルクス以上)を明け方に浴びると睡眠・覚醒リズムを前進させる効果があります。
日の出が遅くなる冬季や、朝日の入らない寝室では、部屋の照明装置を利用して、早朝1~2時問、光を浴びるようにします。タイマー照射つきの専用装置を使用することも有効です。
また、曇り空でも戸外に出れば自然に十分な照度を浴びることが可能です。寝室に朝日が自然に差し込むように遮光カーテンは閉めっぱなしにしないことが大事です。
反対に、夜に光は浴びないように注意しましょう。テレビ、パソコン、スマートフォンの使用は控えるなど、夜の過ごし方の工夫もしましょう。
概日リズム睡眠障害には「時差ぼけ」も含まれます。時差ぼけについては、
のページを参考にしてください。