急なストレス(急性ストレス障害)に伴う不眠が起きた場合の睡眠薬とは?

急性のストレスに伴う不眠

急なストレスに伴う不眠が起きた場合の睡眠薬の処方例を紹介します。

今回は、震災のストレスで眠れなくなった例とともに、急性ストレス障害での睡眠薬の選択を解説します。

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被災したストレスで眠れなくなった例

被災したストレス

24歳女性。

震災と津波に被災し、家を含めたすべてが流されて1週間が経過した。幸いにも家族は皆無事であったが消息がわかっていない知人も多い。

街の状況は一変しており、津波によって街が流されていく光景が頭から離れない。余震も続いており、いつも緊張した状態が続いている。被災した日から夜はほとんど眠ることができておらず、疲労も溜まってきている。

入眠困難の場合の睡眠薬処方例

・ブロチゾラム(レンドルミン)0.25mg錠1回1錠、1日1回、就寝前

または

・エチゾラム(デパス)0.5mg錠1回1錠、1日1回、就寝前

中途覚醒・早朝覚醒の場合の睡眠薬処方例

・フルニトラゼパム(ロヒプノ一ル)1mg錠1回1〜2錠、1日1回、就寝前

・ブロマゼパム(レキソタン、セニラン)2mg錠1回1〜2.5錠、1日1回、就寝前

上記の睡眠薬で効果不十分な場合

・リスペリドン(リスパダール)1mg錠1回0.5〜1錠、1日1回、夕食後あるいは就寝前

・クエチアピン(セロクエル)25mg錠1回0.5〜1錠、1日1回、夕食後あるいは就寝前

急性ストレスと睡眠薬

急性ストレスと睡眠薬

日常で突然、強度の嫌悪や恐怖を感じる状況や場面、人に遭遇したとき、多くの場合、急性のストレス状態を引き起こします。

2011年に起こった東日本大震災では多くの方が、強度の急性ストレスを体験されたと言えます。

このストレスに対する急性生体反応にはノルアドレナリン(NA)などが関与し、中枢神経系においては過度の緊張(過緊張)や過覚醒を引き起こします。

その結果、強い不安や不眠を生じさせます。このような場合には、これらの緊張を和らげ、同時に睡眠を安定して確保することが大切となります。

睡眠薬の選択

基本的な睡眠薬の服用は、不安・緊張を伴う不眠と同様であり、選択性の高い睡眠薬よりも通常のベンゾジアゼピン系睡眠薬や抗不安薬を選びます。この際、血中半減期や最高血中濃度到達時間などを考慮して薬剤を選択し、場合によっては併用も考慮されます。

ただ急性ストレス障害では、その過度の緊張・過覚醒状態のため通常のベンゾジアゼピン系薬のみでは十分な効果が得られないことがあります。

このような場合にはNAなど交感神経系の活動緩和を目的として、抗アドレナリン作用や抗ヒスタミン作用を有する抗精神病薬を少量使用すると有効な場合があります。

この場合には、鎮静作用が比較的強いリスペリドンやクエチアピン、オランザピン(ジプレキサ)などを選択し、少量から開始し必要に応じて適宜調整します。

ただし、特に非定型抗精神病薬は急性ストレスなどにみられる不安、緊張緩和に対しての保険適応は認められていないことには注意が必要です。

急性ストレス障害の注意点

急性ストレス障害

急性ストレス障害では、交感神経系が過度に活発化していることが想定されます。

例えば向精神薬では、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬〔三環系抗うつ薬やセロトニン-ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)〕などは、逆に過覚醒を誘発する可能性があります。

交感神経系の活動を高める薬を服用しないように注意しましょう。

こんなときには精神科へ

急性ストレスの場合、一過性であれば上記の初期対応で不眠が徐々に軽快すると思われますが、ストレスが遷延する(長引く)場合には外傷後ストレス反応として不眠症状が長引く場合があります。

4週間以上不眠の軽減がみられない場合や他の症状が強い場合には早めに精神科などの専門医を受診しましょう。

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