20分の昼寝で、午後のパフォーマンスが一気に上がるというのが最新の研究で分かってきています。
午後の仕事を効率的にこなしたい人には、この20分の昼寝をお勧めします。
午後2時頃が眠気のピーク
人の脳の奧には「体内時計」が組み込まれており、夜になると眠気を感じ、朝になると目が覚めるという自動タイマーが生まれながらにセットされています。
体内時計のリズムにはいくつかのタイプがあり、約一日周期でくり返される生体リズムは、「サー力ディアンリズム」(概日リズム)といいます。
また、他には約半日周期のリズム(サー力セミディアンリズム)もあり、これによって昼間の眠気が引き起こされます。
イギリスのチャーチル、アメリカのジョンFケネディ、マッ力ーサーなど、意外にも、彼らは居眠りの達人として知られています。
居眠りというと、仕事をサボっているような不真面目なイメージを持たれるかもしれませんが、眠気は夜の睡眠に向けて高まるだけでなく、午後2時頃に小さなピークを迎えます。
昼食を食べても食べなくても眠気が来る
この時間帯は、居眠り事故などが起こりやすいといわれる魔の時間でもあります。
以前は昼食後、消化器官に血流が集中して、脳が軽い貧血状態になるから、昼食後に眠くなると考えられていましたが、最近の睡眠科学の研究では、実は昼食をとるとらないにかかわらず、人間は昼下がりに眠くなるのが自然であることがわかってきました。
また、寝不足であるかどうかには関係なく、この時間帯は少し眠くなるのが普通です。もしそれ以外の時間にも眠いという場合には、明らかに睡眠不足です。
20分の昼寝が最も効果的
日中に1〜2時間店を閉めるスペインなどのシエスタの風習も、一見ビジネス効率はよくないように思えますが、人体にとっては理にかなっているのです。
気温が高い時間帯に活動すると、エネルギー消費が多くなりますが、一日の活動効率を高めるためには、シエスタによって短時間の休息をとったほうが、その後のパフォーマンスが上るからです。
最先端のIT企業などでは、昼寝を推奨しているところもあります。
たとえば、グーグルのアメリカ本社には、「エナジーポッド」と呼ばれる昼寝用装置かあるそうです。
上半身だけカプセル型の球体に覆われたリクライニング式の昼寝ポッドに身を横たえ、光と音が適度に遮られた状態で昼寝をして一定時間が経過すると、ポッドが震えて自然に覚醒するようになっているようです。
エナジーポッドで昼寝をした後は、非常に頭がクリアになり、発想力や効率も上がるといいます。
体を横たえなくても、腕を枕にデスクで寝るのでもかまいません。昼食後に、20分ほどの短い昼寝をとりましょう。
その際には、熟睡して目覚めた後に強い眠気が残らないように、「今から20分寝て、13時20分に起きよう」とか、「20分後に起きるぞ」と意識しておくことです。そうすることによつて、ほぼ時間どおりに目が覚めやすくなります。
その際、30分以上の昼寝をしてしまうと、その後のパフォーマンスがに悪影響を及ぼすことがわかってきました。
昼寝をするなら、20分に留めておくことがもっとも効果的な仮眠のとり方です。
20分の昼寝の方法
また、昼寝前にコーヒーや緑茶など、カフェインを含むものをとっておくのもおすすめです。
カフェインの覚醒作用が効き始めるのは、飲んで30分後くらいからなので、ちようど目が覚めてほしい時間帯に効いてくれます。
昼寝の後に外の明るい光を浴びたり、好きな音楽を聴いたりすることも、寝ぼけ対策に有効です。
この20分程度の昼寝で頭がしゃきっとし、パヮーが湧いてくるのを実感できることでしょう。
寝ないで目を閉じるだけでもOK
実際に眠らなくても、目を閉じるだけでも効果があります。
机の前ですぐに眠れないという人は、PCやスマホを見たりせず、目を閉じて視覚情報をシャットアウトして、脳を休ませます。
昼寝時間がとれず、午後の睡魔に悩まされてしかたがないときは、眠気ざましに「おやつ」をいただきましよう。「おやつ」とは、眠くなる「やつどき(今の午後2時頃)」に休憩をとってエネルギー補給をした、昔の人々の知恵です。
おやつには、パリポリとあごを動かし、歯で嚙み砕いて脳の覚醒を促すおせんべいのような固いものがおすすめです。
おやつと一緒にカフェィンの入った飲み物を飲めば、昼下がりの睡魔撃退に大いに役立ちます。