夜勤が原因で不眠になった場合の対処法【夜勤と睡眠薬】

夜勤で不眠の対処法

夜勤で不眠に陥ってしまった場合の対処法を解説します。

具体的な夜勤で不眠になった例を挙げ、睡眠を夜勤の勤務前、勤務明けに確保する方法、また、睡眠薬についてご紹介しています。

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夜勤が原因で不眠になった例

工場の夜勤

夜勤で不眠になった例①工場勤務の41歳男性

2交代制でほぼ夜勤(午後10時から午前8時)に専従。以前は夜勤を終え帰宅してから5〜6時間眠れていたが、最近は入眠できず、入眠しても2〜3時間で覚醒してしまう。

眠れないので仕事に行っても集中できず、ミスが多い。

夜勤で不眠になった例②システムエンジニアの30歳女性

普段の勤務は午前8時から午後7時ころまでだが、週に1回程度、サーバーのメンテナンスのため、夕方出勤して深夜勤務を行い、翌朝に帰宅する。

以前は深夜勤務の際に2〜3時間仮眠をとれていたが、最近は忙しくて仮眠の時間がとれない。

夜勤を明けて帰宅してすぐに就寝しようとするが、仕事のことが気になることもあり、なかなか眠れない。

夜勤が原因の不眠の対処法

交代制勤務や深夜勤務の不眠

ヒトは昼間に活動し、夜は休息する昼行性の動物です。

したがって、いくら、生活が夜型に変化してきても昼間に睡眠をとることは難しく、交代制勤務や深夜勤務(夜勤)では不眠が生じやすくなります

しかしながら、こうした交代制勤務や深夜勤務における不眠では、一概に「こうするべきという対処法」はありません。

なぜなら、交代制勤務や深夜勤務といってもさまざまなパターンがあり、不眠患者の生活パターンが「夜型」か「朝型」か、不眠傾向など個人のもつ特性や加齢による変化、さらには家族と一緒に生活している場合にはその生活の音などの影響も考慮しなくてはならないからです。

つまり、交代制勤務や深夜勤務の不眠では、睡眠や生体リズムの生理的な知見に基づく下記のような方法を実践したうえで、適した生活パターンを見つけ出すことが必要です。

主な睡眠を勤務明け(日中)に確保する対処法

夜間の勤務明け直後は、覚醒時間が長いことや体内時計として夜に近いことから、昼間の時間帯のなかでは睡眠を確保しやすい時間帯です。

しかしながら、逆に勤務の直後はリラックスすることが難しいので眠りにくい場合もあり、さらにこの時間帯から長時間の睡眠をとると、その日が休日であれば、夜間の睡眠に支障が生じる可能性もあります。

主な睡眠を勤務前(夜間)に確保する対処法

勤務後の睡眠は疲労や眠気をある程度解消するような睡眠として短くしておき、夜間およびそれに近い時間帯に主な睡眠をとる方法です。

この方法のメリットとしては特に連続した深夜の勤務の場合、勤務前に睡眠をとると、勤務中の眠気や疲労、注意力の低下を軽減させる効果があります。

ただし、勤務前は緊張して眠りにくくなるタイプの人や、遅刻が不安な人では適しません。

なお、長時間の深夜勤務ではなるべく勤務中でも仮眠をとることが勧められます。

夜勤と睡眠薬

夜勤と睡眠薬

夜勤で不眠になった場合には、睡眠薬を服用するという対処法もあります。

夜勤に伴う不眠に睡眠薬を使う場合には、勤務前に睡眠をとろうとして服用すると、睡眠薬の影響で仕事のミスや事故につながる恐れがあるので、夜勤明けに睡眠を確保する場合あるいは休日のみに服用とします。

睡眠薬を使う場合は、夜勤明けに睡眠を確保する場合か、休日のみに服用する

睡眠薬の連続服用はNG

日中に睡眠をとる睡眠覚醒リズムを確立させるために睡眠薬を長期にわたって連続服用させるのは厳禁です。

あくまでも、睡眠薬は入眠を促し、睡眠を持続させる薬剤です。

このため、睡眠薬の耐性や依存性などを考慮し。交代制勤務や深夜勤務による不眠でもなるべく短期および間歇的な服用を勧めるべきです。

体内時計への調整作用があるメラトニンやメラトニン受容体作動薬(ラメルテオン)に関しても、ジェットラグ(時差ボケ)ではその効果は期待できますが、交代制勤務における不眠の場合に、その効果がジェットラグと同じように期待できるかどうかはわかっていません。

さらに睡眠薬を使用する場合、短時間作用型の睡眠薬であっても勤務から6〜8時間以上は離れていなければ持ち越し作用や健忘が懸念されるので、避けるべきです。

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