ベッドや布団の上で「睡眠以外の行動をしない」と眠れるようになる!?パブロフの犬のような条件づけで眠る方法

ベッド上で過ごす時間の制限

「ベッド上で過ごす時間の制限をする」ということは、認知行動療法の中でも簡単で有効な治療法の一つです。

ベッドや布団で過ごす時間を「睡眠だけにする」という単純なものですが、その目的と効果的な方法を紹介します。

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ベッドや布団の中では睡眠以外の行動をしない

睡眠以外の行動

ベッド上で過ごす時間の制限とは、眠っている時間以外はベッド上で過ごさないようにすることです。

ベッド上で過ごす時間を制限することの目的を3つ述べます。

目的①ベッド=睡眠

第一に、ベッドと睡眠を結び付けるため、ベッドでの睡眠以外の行動を減らすことが目的です。

不眠を持続させる行動的要因として、本を読む、心配事を考えるなどの睡眠以外の行動がベッドと結び付けられていることがあります(ベッド=睡眠以外の行動)。

そのためベッドでは睡眠とセックス以外の行動はしないようにし、“ベッド=睡眠”という結び付きを強くする目的があります。

目的②睡眠力を高める

第二に、起きている時間を長くし睡眠力を高めることです。

不眠を解消するために起床時間を短くすると睡眠欲求が低下し、夜間の睡眠の質が低下します。

目的③睡眠と覚醒リズムを一定に整える

第三に、睡眠と覚醒リズムを一定に整えることです。

決まった時間に起き、決まった時間に眠たくなるという睡眠と覚醒リズムを整える目的です。

ベッド上で過ごす時間の4つのルール

ベッド上で過ごす時間のルール

このようにベッド上で寝る以外の行動をしてはいけない

ベッド上で過ごす時間を決めるために、ベッド上で過ごす時間のルールを守ることが必要となります。

毎日の睡眠日誌の記入をもとに、ベッド上で過ごす時間を制限します。

ベッド上で過ごす時間=平均総睡眠時間+30分

上記の計算式を用いてベッド上で過ごす時間を計算します。

平均総睡眠時間に加える30分は、大多数の人が床についてから入眠するまでにかかるおおよその時間を覚醒時間として考慮して追加されています。

必要に応じてベッド上で過ごす時間の設定の調整を行います。日中の眠気が強くなっていないか、睡眠効率(平均総睡眠時間/平均総臥床(寝転がる)時間X100%)は変化していないかに注意します。

睡眠効率が85%以上で、日中に眠気が強く出ている様子であれば、臥床(寝転がる)時間を15分延長します。逆に睡眠効率が80%未満の場合は臥床時間を15分短くするように調整します。

ルール1 起床時間を決める

平日・休日にかかわらず、毎日同じ時刻に起きるようにする。睡眠覚醒リズムが乱れると睡眠が混乱し、時差ボケと同じような睡眠の問題が生じる。

ルール2 眠るときだけ布団やベッドを使う

睡眠(とセックス)のとき以外は布団・ベッドを使用しないようにする。布団・ベッドの上で睡眠以外のこと(本を読む、テレビを見るなど、どんなことでも当てはまる)をしていると、「布団・べッド=睡眠の場所」という睡眠を妨げる習情となる。 

ルール3 眠れないときは布団やベッドから離れる

長い時間、起きたまま布団・ベッドの上で過ごしていると、眠れないことばかり考えてしまい、失望・心配・イライラなどが生じやすくなる。20分ほど眠れない時間が過ぎたら、布団・ベッドの上から一旦離れて別の場所で過ごし、眠たくなってきたら布団・べッドに移動するようにする。

眠れずに別の場所に移動したときに何をするか事前に決めておくことが大切。難しく考えずにできる、頭を使わずに気分転換になるもの、例えば雑誌や漫画を読むこと、好きな音楽を聴くことがあげられる。運動、アルコールやお菓子の摂取、大きい音や眩しい光などの強い刺激は避ける。        

ルール4 日中は昼寝をしない

30分以上の長時間の睡眠や、15時、夕方以降の昼寝は、夜の睡眠に悪影響を及ぼす。

どうしても日中の昼寝をしたくなってしまった場合の予防策を考えることが必要。例えば、目覚ましを20分に設定して昼寝をすることや、また昼寝をしないように外出して散歩をする、冷たい水を飲む、顔を洗う、などの方法もあげられる。

ベッド上で過ごす時間を制限する理由

パブロフの犬

ベッド上で過ごす時間の制限にて、眠れないときに布団・ベッドから離れる理由を説明する際、わかりやすい例の1つに「パブロフの犬」があげられます。

犬は餌を目の前にするとよだれを垂らしますが、これは生理現象であり当然の反応です。一方で犬に鈴の音を聞かせてもよだれを垂らすことはなく、これも当然の反応です。

しかしながら、犬に餌をあげるときにいつも鈴の音を聞かせていると、犬は鈴の音を聞いただけでよだれを垂らすようになります。

これは犬のなかで、鈴の音と餌が結び付いたためです。

人間もパブロフの犬のように

犬にとっての、餌、よだれ、鈴の音を、人間に当てはめて考えてみましょう。

もし布団・ベッドに居ても、本を読む、心配事を考えるような癖がついてしまうと、布団・ベッドは読書をする場所、心配事を考える場所と結び付いてしまっているため、「布団・ベッドでは心配事を考えないようにしよう。すぐに眠るようにしよう」と思っても、眠れない時間を過ごすことになってしまうのです。

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