緑内障を発症した女性の症例とともに、緑内障と睡眠薬の関係を解説します。
緑内障発作が起こった女性の症例
41歳女性。急性の緑内障発作。
今朝から頭痛、嘔吐があり、かかりつけの内科を受診した。診察上、その他の症状として今朝から急激に始まった、右眼の眼痛、かすみ目を認めた。
既往として不眠症があり、以前から睡眠薬(ブロチゾラ厶(レンドルミン)0.25mg)を1日1回就寝前に服用中だった。
緑内障と睡眠薬
上の症例の場合、睡眠薬ブロチゾラム(レンドルミン)を中止し、眼科をすぐに受診しましょう。
この症例は急性の緑内障発作が疑われる症例です。
開放隅角緑内障では問題となりませんが、閉塞隅角緑内障では、瞳孔を広げる薬は症状を悪化させる危険性があります。
実際には、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が直接原因となることはほとんどなく、ブロチゾラム(レンドルミン)が眼症状の原因とは考えにくいですが、念のためブロチゾラム(レンドルミン)の服用を中止し眼科を受診する方が無難です。
向精神薬の場合は、抗コリン作用が問題となります。三環系抗うつ薬などがそうです。
ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系は弱い抗コリン作用が閉塞隅角緑内障を悪化させるとされており、日本では禁忌となっているため中止、変更することが望ましいです。
また、これらの内服中に眼痛、かすみ目、頭痛、嘔気などの症状がみられた場合は眼科を受診する方がよいでしょう。