夜、寝るときに騒音で眠れないことはありませんか?
一定のレベル(デシベル)以上の騒音は不眠や中途覚醒の原因になります。
音が気になって眠れない場合は対策が必要です。このページでは、騒音のレベルや対策方法をご紹介します。
目次
眠れなくなる音
現在の寝室の環境はどうでしょうか?
うるさくて眠れないことはありませんか?
うるさくて眠れない場合は、何が原因で眠れないのでしょうか。それぞれの原因ごとの対策を行って快適な睡眠環境をつくることが必要です。
車や電車の騒音で眠れない
睡眠を妨げる騒音は、様々な方法で軽減することができます。遮音のための工夫をしてみてはいかがでしょうか。
隣の家の音で眠れない
同様に、遮音の工夫が必要かもしれません。後述する騒音対策を試してみましょう。
自分の家族が出す音で眠れない
家族が出す音は、互いに話し合うことでたいてい解決がつくものですが、不可抗力による騒音にイビキがあります。イビキをかいている本人は、慣れていますのでイビキがひどくても目が覚めることがありません。
しかし、家族はそういうわけにはいきません。そこで、寝室を分けるのも一つの対策手段です。
睡眠中に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症の患者は、夜中に何十回、何百回と目が覚めてその都度、呼吸を再開しています。
呼吸が止まっているときと、あえぐような激しいイビキが交互にやってきます。本人には目が覚めた自覚はほとんどありませんが、睡眠中断の程度が大きいのでほとんど寝たことになりません。日中に強烈な眠気が襲い、様々な場面で居眠りをしてしまいます。
家族のイビキ音があまりにも大きい場合は、睡眠時無呼吸症の治療に携わっている医師に相談しましょう。
音はあまり気にならない
音が気にならない場合はよい睡眠環境です。静寂な環境は睡眠に適しています。
騒音の大きさと睡眠への影響
騒音の中で最も訴えが多いのが、乗り物による騒音と近所の生活騒音です。
睡眠に悪影響を及ぼす騷音には、クーラーの室外機や洗濯機のような連続音、車や電車が通過するときのような間欠音、ドアの開け閉めなどの衝撃音などがあります。
もちろん騒音の大きさによって睡眠への影響度は異なりますが、連続音に比べて間欠音や衝撃音のほうが睡眠を妨害します。
騒音の大きさ
騒音の感じ方には個人差もありますが、一般に40デシベルを超えると眠りにくくなり、中途覚醒が増えます。
45デシベル以上になると、さらに寝つきが悪くなります。
55デシベルを超えると軽い睡眠障害が起こり、熟睡できなくなります。
さらに80デシベルを超えた状態ではほとんど眠れなくなります。
騒音の大きさを騒音源から1メ一トルの距離で測定すると、おおよそ、クーラーの吹き出し音が40デシベル、台所のステンレス槽に水を流す音が55デシベル、電気掃除機の音が80デシベルに相当します。
幹線道路の沿道に住む人を対象とした調査では、30デシベル以下の騒音であれば睡眠には影響はありませんが、夜間の交通量が多いほど不眠症の発症率が高くなり、特に中途覚醒が多くなることが報告されています。
騒音レベル(デシベル)の目安
騒音の種類 | デシベル | 睡眠への影響 |
聞こえる一番小さな音 | 0 | 睡眠へ影響しない |
木の葉の音 | 20 | |
クーラーの吹き出し音、図書館、深夜 | 40 | |
エアコン室外機 | 50 | 中途覚醒(睡眠の途中で起きてしまうこと)が増加 |
ステンレス槽に水を流す | 55 | |
人の会話 | 60 | 軽度の不眠 |
電気掃除機、電車の中 | 80 | 重度の不眠 |
快適な睡眠のための騒音対策方法
世界保健機関(WH〇)は、寝室における騒音基準として、平均騒音が30デシベル以下、最大騒音が45デシベル以下になるよう推奨しています。
寝室が道路に面しているため交通騒音が大きい場合は、窓に紫外線防止フィルムや防犯フィルムを貼ったりすることで、音が気にならなくなることがあります。
また、遮音カーテンや遮光カーテンをつけたりするだけでもかなり遮音対策ができます。
隙間テープを貼って窓の隙間から入ってくる音を少なくすることも大切です。また、ベッドや布団をなるべく窓から離すようにしましょう。
予算が許せば、防音ガラスや防音サッシに変えたり、二重サッシにしたりするとさらに高い遮音効果が得られます。可能であれば、道路とは反対方向の部屋を寝室にしてもよいでしょう。
マンションにお住まいの人は、寝室が隣の家のトイレや台所、浴室などの水回りと接しない対策をしましょう。
隣と接している壁に家具類を置くのも一つの対策手段です。それでも隣の音が気になるようでしたら天井や壁に吸音材を貼ってみてはいかがでしょうか。
騒音のマスキング
好きな音でマスキング(覆い隠す)するの騒音対策として有効です。
ノイズにも、人が心地よいと感じるノイズと、不快に感じるノイズがあります。雨が「しとしと」と降り続くような連続音を「ホワイトノイズ」といいます。ホワイトノイズは、周囲の音を適度にかき消してくれるうえ、単調で退屈な連続音が続くので、リラックスし、眠気を促します。
「雨音が聞こえると、不思議な心地よさを覚えて眠くなる」「川のせせらぎを聞いていると、リラックスしてよく眠れる」
そんな経験のある人も多いのではないでしょうか?
一方、大きな音が静けさを破って突然響いてきたり、ドタンバタンと断続的に大きな音が響いてきたりするのには順応できず、不快を感じます。
音に対する感覚は、その人の心理面や趣味趣向にも影響されます。
たとえば犬好きの人は、子犬が多少キャンキャン吹えてもあまりうるさいとは感じませんが、その人が猫嫌いだった場合、子猫がにゃあにゃあ鳴いているだけで不快な気持ちになります。
クラシック音楽が好きな人は、モーツァルトをBGMに眠れても、ジャズが流れているというるさく感じて眠れなかったりします。あるいは、同じクラシックでも、モーツァルトならリラックスできても、ベートーベンではリラックスできないかもしれません。
どんな種類の音を心地よいと感じ、どんな種類や音を不快と感じるかは、人それぞれです。まずは自分はどんな音が苦手で、どんな音なら落ち着くのかを自覚し、苦手な音がなるベく聞こえにくい寝室環境を整えましょう。
気になる音があるときは、好きな音楽を小さな音でかけ、騒音で音を消す(マスキング)のも効果的です。
騒音対策まとめ
騒音対策フィルム
遮音カーテン
隙間テープ
防音ガラスや防音サッシ
吸音材
寝室の位置や家具の位置の変更
騒音のマスキング