人間は食べ物で動きます。食べ物のとり方ひとつで、睡眠にももちろん影響を与えます。
夕食に油っこい物を食べ過ぎて、胃がもたれてなかなか寝つけなかった。いつもより夕食をとる時間が遅れ、眠る時間までずれてしまった。そんな経験はないでしょうか。
良い睡眠には食べ物を軽視しない
食物は人間のエネルギー源ですから、何を食べるか、どうやって食べるかで、人間の活動に大きな影響をもたらします。
もちろん、食は睡眠とも密接な関係があり、そのことは徐々にですが、一般にも認識されるようになっています。
そのため、「眠る前に食べ過ぎないようにしている」とか、「遅い時間にカフェインはとらないように心がけている」という人は増えています。
しかしそれは、質の良い眠りを手に入れるというより、安眠を妨げないための工夫のようです。できれば、もっと積極的に深く眠れるように「食の改善」を考えていきたいですね。
熟睡を誘う『メラト二ン』を含む食べ物
睡眠に良いということで有名な成分は「メラトニン」です。
メラトニンとは、松果体という脳の器官から分泌されるホルモンで、成熟を抑制する働きと、睡眠のリズムを調整する働きがあると考えられています。
メラトニンは人間だけでなく、ほとんどの動植物が生成、分泌しているホルモンです。メラトニンを多く含むものをたくさん食べると、必然的に質の良い眠りを手に入れられます。
メラトニンが特に多く含まれている食材は、玄米、小麦、大豆などの穀物・豆類です。また、大根やニンジンといった根菜類にも多く含まれています。
メラトニンを含む野菜不足で熟睡できない!
ほとんどの野菜類にはビタミンB群が含まれていますが、これはメラトニンの生成や吸収を助けるので、榖物、豆類、根菜と一緒に摂取すると、より効率的にメラトニンを体内に取り入れられるようになります。
さらに、これらの食材は消化しやすいものが多く、胃腸に負担をかけません。これは安眠にとって大切な条件です。
また、人間は体が本当に必要としている栄養素がとりきれないと、眠ろうとした時に空腹のサインを発します。これは、体が「寝ている間に生命の危機に陥ってはいけない」という警鐘を鳴らすからです。
だからこそ、質の良い眠りを導くには、栄養価に優れ、消化がいい食物をとるのがポイントです。穀物、豆類、根菜、その他野菜をバランスよく取り入れた食生活にすれば、心地良い眠りを手に入れられるのです。
当然、熟睡することができれば、前日の疲れも取りやすく、スッキリと効率のいい日をむかえることができるでしょう。