「日本食は健康にいい」というのは、いまや全世界に知られています。
また、日本の伝統的な食生活は、睡眠の質を維持するためにも、大いに有効ということがわかってきました。
和食は睡眠の質を良くする
アサリのみそ汁、納豆、魚が並んでいる和食が、「眠れない」「寝つきが悪い」というような悩みを解消してくれるのです。
それはなぜでしょうか。その秘密は自律神経にあります。
ストレスやイライラ、心配ごとがあって眠れない。なんとか眠ろうとすればするほど、ますます眠れなくなってしまう。神経科では、こうした不眠傾向を神経性不眠と名づけています。
この不眠は自律神経のバランスの崩れが遠因になっていることがあるようです。
自律神経は糖質をエネルギー源として活動していますが、糖質が不足すると活動バランスがうまくいかなくなり、自律神経失調症になって良い睡眠がとれなくなってしまうのです。
和食には睡眠に必要なビタミンB1が豊富
この糖質の代謝の仲介役、具体的にいえば、食べ物の糖質をエネルギーに変換する時の橋渡し役がビタミンB1です。
ビタミンB1が不足すると、糖質がエネルギーに変換されず、その結果、自律神経の働きが不調になり、スムーズに睡眠に入れなくなってしまうわけです。
またビタミンB12もメラトニンの分泌に影響するので重要です。
アサリ、納豆、魚の千物など、和食に多いメニューには、ビタミンB1やビタミンB12がたっぷり含まれています。
朝食を和食に
まず、きちんとした時間に朝食をとることは新陳代謝を整えるといった意味でも大変重要です。
とりわけ、朝食でビタミンB1やビタミンB12が供給されると、同じように自律神経のコントロールを受けている体内時計のリズムが正しく調整される効果もあります。
昔の日本人は、アサリや納豆の効果を経験的に知っていたのでしょうか。睡眠障害の増加力ーブは、朝の食卓からアサリのみそ汁や納豆がしだいに消えていったカーブと、反比例するそうです。
アサリのみそ汁に納豆、いわしといった昔風の朝食を復活させ、眠れない悩みと縁を切ることに取り組んでみてはいかがでしょうか。